ドイツからイタリアに向かうため、ミュンヘン駅から寝台列車に乗り込んだ3人は、さすがに前日の強行プランで疲労が蓄積していたのかグッスリ眠っていた。
目が覚めたのが朝の6時過ぎ。
前日は駆け込み乗車だったために当然ながら朝食は買い込んでいない。
退屈しのぎに車窓から外の景色を眺めていると、ヨーロッパに足を踏み入れてから初めて雪のない風景が目に飛び込んできた。
なるほど、スイスは睡眠中に通過してもうイタリアに入っているんだ。
じーっと外を眺めているうちに2時間近く経過し、8時にはローマ駅に到着した。
イタリアは当初の旅程には含まれておらず、チェコで急遽日程を追加したため、ホテルについても全くの未知。ネットスペースもなかったため、みんなで手分けして街の中を探し回ることになった。
こうしてようやく見つかったのがカプライスホテルという宿。
ここは朝食付き2泊で€80だった。
三つ星と言えどエーダーホテルと比べてしまうとやはり質は低い。
だが、それ以外のホテルは€120を超える四つ星の高級ホテルばかりなため、観光する時間には変えられないとのことで手を打つことにした。
それでも午前中は重い荷物を背負ってのホテル探しで終了してしまった。
チェックインして荷物を置くと、すぐさま昼食のためのレストラン探しを開始。
しばらく歩いていると手頃な店が見つかった。
表のメニューを見て相談していると、隣の店から太っちょの親父が出てきて、
「そっちはトルコ人がやってる店だ!こっちにこい!」と英語で喋りかけてくる。さらには流暢な日本語で追い討ちをかけてくるため、思わず引き込まれてしまった。
店内に入ってみると、オススメメニューが載っていて、2種類のパスタで€13だった。ちょっと豪勢だがこれを注文し、グラスワインも言葉巧みに追加で注文させられる。最後にはティラミスも食べ、ここでチェック。
すると、値段の書かれていないティラミスもパスタ並みの価格だった。。
後から知ったが、イタリアのデザートはどこも高価なもののようだ。
ワケもわからず昼から4000~5000円を失い、完全にボッタクリに遭った気分で
イタリアのイメージがぐんと下がってしまった。
その後、トレヴィの泉で写真を撮り、ベネツィア広場を抜けてコロッセオに到着すると、その内部を回る。
さらに勢いに乗ってカラカラ大浴場へ向ったものの、こちらは残念ながら休業。
そう、ちょうどこの日は日曜日だった。
レストランもそうだが、まさにローマの休日と呼ぶにふさわしい店舗の休業率で旅行者としては勘弁してくれな状態だった。
しかもローマはこれまで回ってきたところとは異なり、地下鉄が少し走っているぐらい、観光地に行くにはほとんど徒歩で行くしかない。
気を取り直して向かったのは真実の口。
ここは恐ろしいほどに日本人だらけだった。
写真を撮るために並んでいたが、その3割は日本人と言っても過言ではない状況で、なんだか異文化らしさの欠片もなく終了。
続いてパンテオン宮殿を見て、ナヴォーナ広場、スペイン広場とひたすら歩く。
どこも工事中だったりして趣はさほど感じなかった・・・。
だが、スペイン広場ではある意味当たりくじを引いてしまったようだ。
階段を登りきってローマ市街の風景を眺めていると、突然イタリア人の男が腕にミサンガをかけてきた。
爪切りのようなもので最後に紐を切ると、エキストラと化していた仲間が4人ほどで囲んできてポケットの金を全部出せと言ってくる。
その間、横にいたはずの友人2人は男たちの後ろからこちらを眺めてニヤニヤと笑っている・・・。
ヤラレタ~!完全に追い込まれてしまったのでポケットから金を出すと男たちは次なる標的を求めて消えていった。所持金は定かではないが、おそらく600円~1000円ぐらいだったろう…。
一度ホテルに帰り、忌まわしきミサンガを引きちぎってゴミ箱に捨て、朝から歩き詰めで溜まった疲労を軽減してから夕食を食べに近場のレストランへ。
ここでは友人Wの誕生祝いも兼ねて、各自のパスタとピッツァ2枚を追加して
3人で分けることにした。
味は良かったが、イタリアのパスタは人肌ぐらいに冷めてから出てくるのか?
と思い始めたのもこの頃から。
この店でもまた流暢な日本語で言葉巧みに商売してくる。
「水はいかが?ワインはいかが?」
食後になれば、すかさず「エスプレッソ?カプチーノ?」
んー・・・なんだかローマはどこに行っても落ち着かない街だ。
日中には、広場を歩いているだけで5回近く「ナカータ!」と言われた。
今となっては「ナガト~モ!」なんだろうか・・・?
どうやらイタリアで日本語で喋りかけられたら、金目当てだと思ったほうがよさそうだ。水を買うにも別のものを勧めてきたり、セットで売ろうとする。
商売熱心なのはいいが、いちいち厚かましいのが肌に合わない。
食事を終えてホテルに戻りシャワーを浴びると、歩き疲れたのか、無駄に気疲れしたのか、この日も簡単な日記を書いていつものように爆睡していた。
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