オーストリアに到着して荷物を回収したのが朝の6時。
まずはセントレアで調べたホテルの住所を訪ねるために、どんな交通機関を利用すればいいか調査。空港内で情報収集すると、どうやらバスよりも地下鉄の方が安いらしい。
そんなわけで案内に従ってエレベーターで下へ降りてみると、そこには改札らしきものはなくエレベーターを一歩踏み出すや否や、我々はウィーン空港駅のホームに立っていた。
あたりを見渡すと、道行く人が切符を買っているらしき機械があったので、我々も見よう見まねで1日券を購入して電車に乗り込んだ。
しばらくすると車掌が回ってきたのでドキドキしながら切符を渡すと、「これじゃ足りないから追加料金払いなさーい」的なことを言われたので、その場でおとなしく追加料金を払った。
どうやら地下鉄にはSバーンとUバーンという路線があり、我々はUバーンの1日乗車券を購入したようだ。空港から次の駅まではSバーンしか走っていないため、その区間分の料金を要求された模様。
30分ほど走ると、ホテルに一番近いレンウェグという駅に到着した。
車内でのアナウンスもドイツ語で全く意味が分からず、日本のように出発の合図もなく突然走り出すので乗り過ごしそうになり、さっそく海外の洗礼を受けた心地がした。
レンウェグ駅から外へ飛び出すと、どっさり積もった雪と凍った路面が出迎えてくれた。スキー場とほぼ変わらないほどの寒さの中、大通りを手がかりに歩いていくと、駅から5分足らずで無事にArtisホテルに到着。
早朝に出向いたにも関わらず、気前よくその場でチェックインさせてくれ、一同は重い荷物を抱えて観光する必要がなったためホッと一安心した。
ちなみに今回の旅ではこのホテルが一番高かった。(€60)
ネットではもっと安い価格設定だったのだが、宿泊初日ということもあって無難に値段よりも安心を買った。
ホテルを出るとエレベーターから日本人団体客がぞろぞろと出てきたため、一同は逃げるように足早にその場を去り、さっそく第一の目的地シェーンブルン宮殿を目指してUバーンに乗車することとした。
さすがに海外まで来て日本語を聞くと興ざめしてしまう、、
最寄の駅に降りると、いかにもシェーンブルン宮殿に向かっていますと言わんばかりな現地学生の団体が目の前を横切ったため、これは間違いないと踏んで彼らの後を着いて行くと、立派な建物に入って行くではないか。
我々もこれに着いて建物への潜入を試みたのだが、
「これがシェーンブルン宮殿か??いや、写真とは全然違う・・・」
あとで知ったのだが、どうやらここは博物館だったらしく、我々の読みは見事に裏切られてしまった。
彼らとは別れを告げ、気を取り直して歩き出すと、黄色い壁面のそれらしい建物が見えてきた。これこそ正真正銘のシェーンブルン宮殿で、あまりに広大な建物なため、日本語ガイド装置を持ちながら展示物などを眺めていると、2時間近く経過していた。
さすがに腹が減ったぞということで、昼食をとるためにガイドブックで事前に
チェックしておいた場所へ向かう。
元来た駅まで戻り、王宮近辺のカールスプラッツ駅で降り、かの有名なオペラ座を通過すると、ヴィエナーヴァルトというレストランに到着した。
本によれば割と有名なチェーン店らしく、チキン料理が安く食べれるとのこと。
しかしいざ店内に入ってみると、壁には読めない文字、メニューも英語版がなかったため、やむなくテーブルのチラシに書いてあったオススメみたいなものを注文した。
しばらく待って出てきたものは、チキンロースト・酸味のある茹でキャベツ・
スーパーボール。スーパーボールとはこの旅で我々が勝手に命名したもので、
ジャガイモと小麦粉を合わせて丸く固めて茹でたようなもの。
野球ボールサイズのニョッキと言えばいいだろうか・・・
ヨーロッパでは肉類・酢キャベツ(ザウアークラウト)・スーパーボールor
スライスパンがメジャーな付け合せのようで、スーパーボールと酢キャベツを
ともに口へ運ぶと食べやすくて美味しかった。
店を出ると1人が忘れ物をしたというので、2人で外で立って待っている。
するとそこへ少女がやってきて、2人の間を強引に手でこじ開け、すすり笑いながら仲間と合流して歩いていく。この時はまだ海外への警戒心が強かったため、「これがスリの手口か!?」とも一瞬思ったが、物取りではなく単なる子供たちの遊び心のようだった。
そこからザッハートルテの有名なホテルザッハーに歩いていくこと5分、ホテルに併設されているカフェに入り、ザッハートルテを注文した。
たかがカフェといえど、入店すればかなり大掛かりなクロークなんかもあって
格式高い雰囲気に完全に飲み込まれた3人であったが、肝心のケーキの方は少し酸味の効いたチョコレートケーキに甘みの少ない生クリームが添えられ、一緒に食べるとかろうじて甘さを感じることができる大人の味に仕上がっていた。
貴婦人たちに臆することなく長居しすぎてしまったので、足早に王宮付近の散策を始めた。シュテファン寺院の周りにはたくさんの馬車が待機しており、ちょっとした街乗り体験ができるようだった。
寺院の内部をさらっと回り、王宮の門をくぐって自然史博物館を目指して歩くと、辿り着いた先はまたもや目的物とは異なる立派な市庁舎だった。
市庁舎とはいえ、ヨーロッパはことごとく芸術的な建物が多く、見間違えるのも無理はない。
地図で現在位置を確認し、しばらく歩くとようやく自然史博物館に到着。
建物内は石のコレクションから始まり、ナイトミュージアムに出てきそうな恐竜の骨が組み立ててあったり、ピラニアやら危険な生物をガラス越しに見ることができた。時間にして2時間弱、普段は目もくれない博物館ゆえに、かなりディープな時間を過ごすことができた。
その後は翌日のチェコ行きの列車の切符を入手するために南駅へ行き、出発時刻の確認・切符の購入をして一旦ホテルへと向かった。
シュテファンシュプラッツ駅最寄のドロテーアーガッセの街並み
駅へ向かう途中で横切ったベルヴェデーレ宮殿 上宮
疲れ果ててホテルに戻ると既に日も暮れ始めており、近場でレストランを探すことにした。3人とも疲労と空腹で歩き回る気力もなく、レンウェグ駅の角にある
ガストハウスBINDERといういかにも地元民しか利用しなさそうなレストランに躊躇なく入店した。
余談だが、その隣の店ではドネルケバブをやっていて、ヨーロッパでは1都市に1店舗は必ず視界に入っていた。愛知万博のトルコ料理屋で働いていた身としては、異国の地で本場のケバブ屋を見かけるのは楽しみの1つでもあった。
BINDERへ入店後、メニューの中にステーキらしき文字があったので頼んでみると、牛ステーキ2枚と酢漬けポテトのスライス2色、輪切りフライドポテトの盛り合わせが出てきた。
どうやらこちらではポテトの色が違えば別物のおかずと見なすらしい…。
我々はヨーロッパ初日で早くもポテトの洗礼を受け、友人Wは既にポテト地獄に音を上げていた。ちなみにヨーロッパ各地ではポテトのことをPommesと言う。(厳密にはフライドポテト)
1日にして、この文字が料理の説明に含まれていたら注文すべきではないというのが定説になった。(自分はわりとポテトへの抵抗はなかったが・・・)
料理のボリュームもオーストリア・ドイツあたりは日本の1.5倍ほどあるようだったが、自分の胃袋にはちょうど良かった。
料理の他にもビールを注文した。
初めに注文しようと決めていたものはノンアルコールだったらしく、オッタというのが本物のビールだとか。体格のいいおばちゃんに”オッタクリンゲル”と何度も発音のレクチャーを受け、無事ビールにありつくことができた。
食事を終えると3人は日の暮れた街には目もくれずホテルへ戻り、順番にシャワーを浴びると、歩き詰めな1日に疲れ果てて気がつけば深い眠りについていた。
この日、ただひとつ心残りを挙げるとすれば、ウィーンでクラシックの生演奏を聴きたかったことだろうか…これはまた次回のお楽しみに。
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