2日目 プラハに到着するや否や、拉致される!?

ヨーロッパ旅行記
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この日は前日に調べておいた10時過ぎのプラハ行きの列車に乗るため、早めに起床。というより前日に寝るのが早かったため、6時過ぎには目が覚めていた。

3人は朝食をとるために街へ駆り出す。
実は前日、レンウェグ駅に初めて降り立った際に構内にはピザのいい香りが漂っていて、この時点で翌日の朝食はピザだ!と3人の心は決まっていた。

我々にとってもはや御用達となったレンウェグ駅に行くと、そこには€1ピザという名前の店があった。名前のとおりどれも1ピース€1で、日本のLサイズの2ピース分ほどの大きさはある。これで150円くらいなら安いもんだが、それでも今の為替レートを考えると当時の€は恐ろしく高い…。

さて、通勤で行き交う現地の人達を眺めながら朝食を終え、すぐさまホテルをチェックアウトして我々は列車の待つ南駅に向かった。

南駅構内

南駅のパン屋

南駅に到着し、QBB鉄道の発車するホームを電光掲示板で探していると、目の前のパン屋からお兄さんが出てきてパンを配っているではないか。
さりげなくコソッと見ていると、どうやらタダで配っているようだ。
しばらくするとこちらにも寄ってきて、ドイツ語で何かいいながらクロワッサンを差し出してくれた。
「んんんーー!これはうまい!」
パンの匂いが立ちこめる朝の駅構内で、爽やかな笑顔を振りまきながら気前良くパンを配っている。なんて素敵なお兄さんなんだ !(一応そっちの気はない)
プラハまでは列車で6時間かかるため、お礼も兼ねてそのパン屋で昼食用のパンを購入。あとで車内で食べたらこれまた美味かったわ♪

ウィーン~プラハの車窓

列車に乗り込むと、ただただ荒んだ田園風景が見えるばかりですぐ退屈になってしまったので、すぐさまUNO大会が始まった。
コレ、今も恒例行事なんだろうか?

小一時間走ると列車は駅に停車し、赤ん坊を抱いた父親が我々とは反対の窓側の座席に着席した。なんとなく視線が行ってしまうので赤ん坊の様子を見ていると、哺乳瓶でコーラ飲んでるよ…外国ってなんて恐ろしいんだ!!
しかもえらくオッサン顔で全然可愛くなかったorz

 

さて、夕暮れ手前になってようやくチェコに入った。
チェコの第一印象は旧共産圏ということもあってか、建造物が地味で荒廃した暗い雰囲気。そもそもオーストリアの建造物が対極的に美しすぎたのかもしれないが…。

長距離移動の末、プラハ本駅に到着すると、ホームには何やらプレートをもった男たちが雑然と集っていた。
列車を降りると、我々も例外なく男たちの標的となり、日本語で書かれた日記らしきものや写真を見せてくる。どうやらホテルの仲介人らしい、と気付くのにはさほど時間はかからなかった。
3人は当然相手にするわけもなく、1人の男は10秒足らずで断念。

その後も幾度となくそれらしき男たちに声をかけられては振り切っていたが、
最後までしぶとく迫ってくるおじさんが1人だけいた。
この男が今回の旅のMVPになろうとは、この時は誰もが予想していなかった…。

 

彼の名はGeorge
体格は中年太りで、50歳は過ぎているだろうか、白髪交じりの頭に黒いキャップを被っていた。しぶとく英語でホテルを勧めてくるため、私を除く2人の腰は折れ、安いホテルの場所だけ教えてくれというと、「自分が行かなきゃ安くはならないさ。地下鉄代払ってあげるから着いてきなよ。」と言ってくる…。

んーこれは怪しすぎる!犯罪に巻き込まれるパターンや!!
どこに連れて行かれるかも分からず、絶対に物取りだと確信して自分は拒絶し続けていたのだが、これに反して2人は案外乗り気で、ホテルは高いから他の場所はないかと聞いている。

多数決というのは怖いもので、しばしの会議の末、結局そのまま空き家を借りる事になり、ドキドキしながら先導されるままに地下鉄を乗り継いでいく。
これまた地下鉄もスプレーでペイントされまくっていて荒廃してるもんだから
なおさら恐怖心を煽られる。
移動中も道行く人に顔をジロジロ見られて、「あー、こいつらハメられたな」というような視線を感じていた。

 

ところが40分ほど移動すると、予想外にも我々は白を基調としたアパートの一室に無事到着してしまった。被害妄想が膨らんでいたが、どうやら無用な心配だったらしい…。
部屋を見せてもらうと、家電も全て揃っていて申し分ない。
3DKほどのアパートの一室で、下手なホテルに泊まるよりも広くて設備も整っており、何よりチェコ人の生活をそのまま体験できるというところに魅力を感じた。

玄関向かいの開かずの扉
開かずの扉

キッチン
キッチン

ベッドルーム
ベッドルーム

宿を決めたとこで商談に入ると、1人2泊で660Kc(コルナ)と言われる。
当時の日本円で換算すると、1泊1500円程度だ。
こ、これは安すぎる! 神様、仏様、George様!!

 

疑心暗鬼になって人とも思わぬ目で見ていたのが段々申し訳なくなってきた、、
しかし彼は我々に名刺を渡すと、
「友達がチェコに来るようなことがあったら、このアドレスを知らせてあげてくれ」と言い放ち、早々に去っていった・・・。
あっという間に商談も終わり、なんだか取り残された感の3人であったが、無事に宿も決まったことだし、付近を知るためにも街を散策しようということになり
適当にぶらつき始めた。

時間も17時を回ろうかという頃、お腹も空いてきたので、ガイドブックで気になっていたピヴォヴァルスキー・ドゥームという店で早めに夕食をとることにした。
店内は気の知れた地元っ子しかいないような雰囲気で、旅先ではその土地の現地人に混じって同じレベルで生活をしたいという私の希望が叶う、今回の旅の中で一番お気に入りのレストランだった。

ピヴォヴァルスキー食卓

料理の方はローストポーク・ザウアークラウト・スライスパンの盛り合わせと、黒ビールで煮込んだソーセージ、ライス、さらには黒・ミックス・バナナ3種のビールを飲んだ。
ビールは500mlで33Kc、日本円にするとわずか150円!
バナナビールは苦味が強くて消毒のような味で失敗だったが、他の2杯は飲みやすくてキレがあり非常に美味しかった。
苦味の強いドイツ、軽くてキレがあるのはチェコって感じかな。
チェコは安いし美味いしで自分には最高だった。
それから黒ビール煮込みのソーセージ、これがめちゃくちゃ美味い!
ソースが最高◎
ちなみに友人は野ウサギのソテーなんかを食べて美味しいと言っていた。

4ℓのビールサーバー

店内には4ℓと書かれたビールサーバーが置いてあり、遠くのテーブルではおじさんが2人でサーバーを囲んで楽しそうに飲んでいた。
あれを2人で全部飲むのか・・・。
おそらくこのあたりは平日でも早々に仕事を切り上げ、17時ごろから大量のビールを浴びながら長い夜をのんびりと過ごすのだろう。いや、旅を思い返してみれば普通にみんな昼間っからお構いなしに飲んでたか…。

これだけ飲み食いしても3000円もいかなかった。
美女ウェイトレスも目が合うたびにスマイルを返してくれたりして、3人は背筋を伸ばして楽しい時間を過ごした。テーブル担当は無愛想で怖そうなおばちゃんだったけど Σ(゚д゚lll)

こんな具合で程よく酔っ払いながらGeorge’s Houseに戻ってシャワーを浴びるといつものとおり爆睡してましたとさ。

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