名鉄瀬戸線沿線を巡る旅 尾張瀬戸編

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桜の記事を優先していたので投稿が遅くなってしまったが、『名鉄瀬戸線沿線を巡る旅 城山公園編』で城山公園をぶらりと散策した後、懐かしい母校に立ち寄りつつ尾張瀬戸まで足を運んでいた。

母校訪問

学校のシンボル的存在な”くすの木”は、当時少年だった私の目からしても立派な巨木だったが、大人になった今眺めてもさらに大きく幹を伸ばし、何気ない日常の思い出を通じて年月の経過を悟らせてくれた。

くすの木

その足で小金の山を抜けて漠然と尾張瀬戸方面を目指したが、一言に瀬戸といってもこの辺りからは空気感がやや変わり、どこかしら穏やかな雰囲気が漂ってくる。
それでも撮影ネタとして狙っていた古い家屋などは予想外に少なく、新旧入り混じった街並みは時代の移ろいを物語っていて何だか寂しい気持ちが込み上げてきた。

フラワーモニュメント

当てが外れてしまったため、ひとまず近くを走っている瀬戸電を待ち伏せしつつ、今後のルートを再考することに。

尾張瀬戸方面踏切名鉄瀬戸線

結果、古き良き瀬戸を探すというテーマは変更せずそのまま尾張瀬戸駅へ向かい、レトロな雰囲気が残っているであろう商店街巡りをしてみることにした。

尾張瀬戸

駅前のパルティ瀬戸

パルティ瀬戸

尾張瀬戸駅

改札口

駅近くのせともの屋

尾張瀬戸周辺

銀座通り商店街

銀座通り商店街へようこそ

まず初めに立ち寄ったのは銀座通り商店街
一時は地元の大学生がカフェを開店して地域の活性化に貢献しているとテレビなどで話題になっていたが、この日、実際に歩いてみると土曜の昼過ぎでもシャッターが閉まっている店が多く、ちょっとガッカリ。それでも求めていたレトロ感は十分に残っていた。
かつて瀬戸電が堀川まで走っていた頃の路線図が店先に貼ってあったりして、非常に興味深かった。

面影を残す商店街レトロな街灯

深川神社

銀座通り商店街を出た先には深川神社が鎮座している。
新年を迎える際には大勢の参拝客が訪れるようだが、この日はさすがに人影は見られず…

深川神社2深川神社1

宮前地下街で自由にくつろいでいた猫としばし戯れ、続いて歩道橋を渡った先にある末広商店街へ向かうことにした。

陽だまりの中で

末広商店街

末広商店街は、今も80年代の空気が流れている商店街。ここまで足を運んだのは20年ぶりぐらいだろうか。
既にシャッターが下りていたが、当時は近寄りがたい不気味な雰囲気を醸し出していたロマン中央。今も現役で頑張っている年季の入ったスーパーや繊維店など、こちらは銀座通り商店街とは違って細々ながら営業を続けている店舗が目立った。

末広商店街昭和の遺物

そして極め付けは末広商店街を抜けた先にあるせきや精肉店
ここは私が小学生の頃、せともの祭と言えばここ!というぐらいに毎年友達たちと訪れていたお店。

懐かしの精肉店

残念ながら今は店頭での販売を行っていなかったようだが、当時は店先で揚げたてのコロッケなどを振舞ってくれていた。ハムカツ30円。これが少年であった私には最高のおやつだった。店の位置さえも記憶から失いかけていただけに、この店の存続は今回の旅で非常に嬉しい発見だった。

赤電との別れ

ここらで時計も15時を回り、体力の限界を感じて引き返すことに。
瀬戸蔵でしばし休憩した後、尾張瀬戸駅の前を通ってみるとまさかの赤電がホームに停車。少年たちが先頭車両をバックに記念写真を撮っている姿は微笑ましい光景だった。

しばらく歩いていくと、後方から踏切音が聞こえてきたので振り返ってシャッターを構えると、向かってきたのはまさにその赤電。長年世話になった赤電が走行しているのを見たのはこれが最後

音がうるさい、赤い塗料が飛んでくるという沿線近隣住人によるクレームもあり、瀬戸線での赤電は2014年4月6日をもって引退。またひとつ歴史が変わっていく様子に寂しさを覚えずにはいられない。

赤電、最後の勇姿

瀬戸市民公園

少し離れるが、最後に向かったのは瀬戸市民公園。
1994年のわかしゃち国体で一部が会場として使用された。そんな私も体育館でウェイトリフティングを見た記憶がうっすらと…。今ではなんとも寂れ果ててしまった印象の市民公園だが、週末には習い事や部活をする子供たちや草野球をする大人で大いに賑わっている。

年季の入ったスコアボード睨み合い

公園を出て瀬戸のグランドキャニオンを眺めながら一日を振り返る。
瀬戸線沿線を巡る旅は、いつしか少年時代の自分とリンクして思い出を辿る旅になっていた。ゆえに時代の流れをしみじみと感じる場面が多かったんだろう。
十分に感傷に浸ったところで、遠い日の自分に別れを告げ、陽の落ちきった坂道を再び歩き出した。

瀬戸のグランドキャニオン夕暮れ

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